辻 強のヨーロッパ転戦記

 

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スペイン編  辻強PWCスペイン優勝!日本人初の快挙!
オーストリア・ポルトガル編 

ドイツ・ヨーロッパ選手権 日本チーム 大健闘!

 

ヨーロッパ選手権上位入賞者と、ヨーロッパの選手以外で、一番成績の良かった選手として総合10位の辻が表彰された。

 

フランス編-Mieussy編ー

 

川地レポート

ミューシーも他のエリア同様インターネットが出来ません。アラン宅まで出かけて、電話を借りなければE-Mailを送れない状況です。日本のインフラが整備されていて、いかに恵まれた環境であるか改めて、痛感している次第です。

8月14日(月)〜19(土) チームアエロタクトは、ヨーロッパ選手権の疲れを癒すため、フランスのアネシーに滞在しています。といっても、コンディションが良いので、毎日トレーニングのため、いろいろなエリアに出かけてフライトしています。自動車でアネシーからミューシーまで約30分、アネシーからシャーモニーまで約60分、その他のビッグエリアにもだいたい90分あれば行く事が出来ます。その日の朝の天気予報で、コンディションの良さそうなエリアにすぐさま走っていけるフランスのフライヤーはとても恵まれていると感じます。勿論、腕とコンディションさえ良ければ、クロカンで各エリアを渡り歩くことも可能です。フランスが強いのは必然的で、選手層の厚さもうなずけます。大会に備えて、チームのメンバーも万全のコンディションで臨めるように頑張っています。今、チームは絶好調なので、次のミューシーの大会でも、皆様の期待に応える事が出来るのではないかと思います。 どうか、応援よろしくお願い致します。

8月20日(日)〜21(月)前線通過のため、PWCミューシー(フランス)は、二日連続でキャンセルです。火曜日からは、コンディションが再び良くなり、競技が出来そうです。ただ、極端に気温が低くなり、地上で20℃前後 高度2500m以上では、雪が降るかもしれないという予報が出ています。今日まで30℃以上だったのを考えると、10℃も急激に下がる事になりそうで、健康管理に充分に気を使う必要がありそうです。 それにしても、ヨーロッパの夏はもう終わりなのでしょうか?暑かったのは2週間ぐらいしかなかったような気がします。だから、夏は涼しいヨーロッパに日本人が大勢来るのかな?

左:正一郎     中:川地夫妻    右:扇沢とアラン

左:ミューシーの町を空撮 右:岩壁と良い雲   

8月22日(火)「39.9kmのタスクにゴール者が出たが・・・」

TASK1 前日の大雨で、ミューシーの谷は朝から濃い霧が立ち込め、朝の目覚めをいっそう悪いものにしました。コンディションは、予想通りで、昼を過ぎても一向に良くならず、テイクオフからは眼下に見事な雲海が広がり、真っ白な鎧を着たモンブランが嘲笑うかのごとく煌めいていました。 時計の針が15:00を遥かに回り、雲海こそ無くなりはしたものの、ダミーが次から次へとぶっ飛ぶ様を見ていよいよ選手達の間に諦めムードが漂い始めたその時、いきなりタスク発表!! 46.3kmのタスク? しかもゲートオープンは16:00で、グランド一斉スタート。おいおい、このコンディションでそれは無謀じゃない!? 選手たちは、シブシブ準備を始めます。案の定、15:45頃になってタスクの変更が発表されました。 39.9kmのタスクは、今日のコンディションではけっして短いとは言えない距離です。そして、ゲートオープン。通常、グランド一斉スタートは、選手達が我先にテイクオフしようとするので、注意が必要ですが、今回はその必要がありません。なぜなら、誰もが様子をうかがって、出ようとしないからです。この均衡を破ったのは地元フランスチーム!!それを見た他のパイロット達(チームアエロタクト含む)も、やっと重い腰をあげてテイクオフを始めます。でも、飛んでもやっぱり、ショボショボのサーマルしかなく、ステイするのがやっとです。練習日の時に味わった強烈なサーマルは面影もなく、5分もしないうちにフライトスーツの中が汗で蒸れてきます。ただでさえステイするのが、精一杯な状況なのに、次から次へと飛んでくるので、トコロテン式にB29のある東の方へ、リッジから押し出されていきます。さらに、B29のあるリッジの高さがこれまたとても低いので、もはやステイする事さえ出来ず、テイクオフからB29に向かってのびるパラグライダーの列は、まるで下りのエスカレーターの様です。テイクオフをしてから15分も経たないというのに、ランディングしてしまう選手(辻、只野、加藤含む)が続出します。出来るだけリフトを拾い、1mでも2mでも稼いだ選手は、B29を撮った後テイクオフの方にリターンして、唯一、バレー風を受けてリフトのある尾根の端であげ直しを 始めます。この頃からバレーが少しずつ弱まり始め、サーマルが少しだけ活発になります。動きやすくなったトップ集団(扇澤)は、更に十字架の下(テイクオフのある東西に伸びる山は東の端が一番高く、切り立っており、ピークには十字架が建っている)に突っ込んで十字架レベルまで上げ直し、十字架から南東方向にあるB35へ移動を開始します。B35に辿り着けば、手の平を西面に向けたような山がありバレー風をまともに受けているので、地元の人からは必ず上がるといわれています。トップ集団もここで上げ直し、再びリッジ(B29のリッジより3km程南に同じようなリッジがあり、東西に伸びている)でテイクオフの前方までリターンして、ランディングのある谷を渡り、テイクオフの絶壁でリフトを拾いながら東のはずれにある最終パイロンB20に向かいます。 リターンしてくるリッジはテイクオフよりも南にあるので、唯一ある小さな山で上げ直さなければなりません。ここをクリアーできたのは、トップを走っていた6人のみで、ほとんどの選手(扇澤含む)は上げ直せずランディングしてしまいます。それを見ていた後続集団(川地、西ヶ谷)は、出来るだけ高度を稼ぎながら小山に到達し、何とか上げ直し、テイクオフ前の絶壁に渡るものの、時既に遅く、リフトがなくなっていてランディング。 結局、最初の数名だけがゴールできただけでした。

正一郎君からレポートと写真が送られてきました

8月20日(日曜日)PWC初日 朝9時半、ミューシーの町の中にあるPWC大会本部前でブリーフィング。 いつものように、メテオブリーフィングがあった(天気予報)。天気は快晴。雲 は一つもできない。いわゆるブルーだ。風は強く、気温は高い。谷風はいつも通 り吹く。客観的に観たらタスクができる可能性は低いが、0%ではないのでテイ クオフに上がって様子を見るとの事だ。 案の定、テイクオフは風が強くウエイティングが長くなりそうな雰囲気だ。天気 が良いのに風が強い。逆転層はテイクオフより少し上にある。これが崩壊すれば 風が上に抜け少しは風力が弱まるだろう。しかし、タスクをやるにはチョットむ ずかしね。 午後3時ごろまで待ったが、南の風は弱まらずタスクはキャンセル。明日に期待 するしかないか。

8月21日(月曜日) 今日は、朝から雨。昼も雨。明日からはしばらく天気が良いみたいで、今日はゆ っくり休養でもしましょう。

8月22日(火曜日)TASK−1 昨日、寒冷前線が通過した為、今朝は冷え込みが激しい。それにしても寒いなぁ 〜。最低気温は13度ぐらいだ。日本は蒸し暑いのだろーなー。ヨーロッパはこ のまま秋になるのではないかと思うほどなのに。今年の夏は、あまり夏らしい気 がしない。夏本番の時期はガーミッシュで3000m上空を飛んで寒い想いして いたし、その前のポルトガルも寒かったし、せっかく短パン持ってきたのにな ぁ。 今日は、冷たい空気が流入したおかげでテイクオフからはきれいな雲海を見る事 が出来ました。シャモニーの方を見ると白い雪がのっかているモンブランが見え る。綺麗だ。 雲海は正午をすぎてもとれず、時間は刻々と過ぎていく。風は穏やかだ。でも、 下の景色が見えないとナ。 2時過ぎにようやく雲海がとれてきてタスクをやる雰囲気になってきた。 タスク距離:39、6km 軽いアウトアンドリターンだ。こんなに高低差もあ って山もそこそこ続いているのに短いタスクを組むとは、それだけコンディショ ンが渋く難しいという事なのだろう。む、む、む、、、ついでに、長年(それほ どでもないけど、、、)PWCに出場していて初めてレースのスタート方式で 「グランドスタート」というのをやった。通常のレースでは、「空中一斉スター ト」という方法でレースが始まる。要は、サーマルなどで空中に留まっていて、 決められた時間になるとそこにスタートの合図が出てレースが始まる。今回は、 テイクオフしていい時間がスタートの時間になるのでスタートと同時にテイクオ フした方が有利なのだ。だから、機体のラインチェックなどはいつもより慎重に なる。このスタート方式を採用した理由も条件が渋く難しいからだ。 スタートはミモノだった。数十機が一斉にライズアップし飛び立って行くのだ。 よくぶつからないものだなと、思う。そういえば、ぶつかって相手の機体にラン ディングした事あったナ(なんてことなかったけど、、、)。 そんなこんなでレースが始まった。風に流しながら進んで行く。行けども行けど もまともなサーマルは無い。ただ流されるまま進んで行くだけ。途中で何回か数 十mほど上げるポイントがあるのだがお先真っ暗な感じがする。先行しているグ ループもいつまで経っても斜め下方に居るのだ。たのむで、しかし! 結局、レースの最初に俺達より高く抜けた地元フランスの人たちが距離を伸ばし て上位を独占したが、PWCのミニマムディスタンスはクリアできず(ミニマム 30km)PWCとしては不成立だったが大会としては成立した。なんか解せな い結果だったよ。俺は。  今日の反省 「渋くても駒を進めろ。(by扇澤選手)」 渋かったなぁ〜。

左:辻くん       右:川地体操?

写真只野

左:クラッシックパラ          中:サーマル?        右:モンブラン

辻君のレポート

8月20日 南の強風でキャンセル。

8月21日 サンダーストームでキャンセル。 明日からかなり天気が良くなるらしい。オーガナイザーのパスカルが言ってい た。 とにかく信じて寝てしまう。

8月22日 昨日の夜、大雨が降って、朝から雲底が低い。 今日は、我らのチームリーダー半谷さんが合流。 パスカルは、雲底が低いが午後からタスクが出来るので、ゆっくり上がってきて ね。 1時を過ぎても雲底が低いし激渋。 4時15分にグランドスタート。40kmのショートタスク。 グランドスタートとは、地上から全員で一斉に飛び出す。 かなり渋い中、スタートすると、どんどんフランス人がテイクオフしていく。 遅れてなるなるものか、次々にテイクオフしていく。 飛んでみると、やっぱり激渋。全然あがらん。 とにかく、ターンポイントの教会を回っても上がらない アーアー降りちゃった。でも、ほとんどのパイロットも降りちゃった。 ゴールに帰ると、なんとゴールしている。 それも全員フランス人パイロット5人、地元の強さを見せつけられた。

8月23日 今日は快晴。早速テイクオフに上がって準備をする。 かなり低いところに逆転層がある。かなり渋そうだ。 タスクは、クロックスタート9回の53km、ショートタスク。 クロックスタートが9回もあると言うのは、かなり渋いことを示している。 ウィンドオープン、ダミーはテイクオフから見て右の岩盤で上げている。 次々にテイクオフ、岩盤に行くと上がる。 100機ぐらいが岩盤の上で大きなガーグルを作りながら、スタートを待つ。 高度は2400m、なかなか良い。 最初のスタートでは誰も行かなかった。2番目のスタートで30機ぐらい。 3番目にスタートで60機ぐらい。私は、4番目スタートで30機ぐらいいた。 岩盤の上に行くと上がる。これはかなりハイスピードのレース展開! 4番目スタートのグループは、先行グループがかなり、 良いペースで回っているので、追いつこうと低くてもつっこんで サーマルが間に合わず、スタックする。 70人がゴール。私はかなり遅れた。むー残念。

8月24日 今日も快晴。昨日より大きなタスクを組むらしい。 テイクオフに上がると天気は良いが逆転層がびっしり、全く上がりそうにない。 とにかく昼間で待つ。ここはスタートするのはいつも遅い。 タスクは85km、この渋い中ではかなり大きなタスクだ。 またもグランドスタート、どんどんフランス人パイロットがテイクオフする。 ホントに上がるのかと思いつつテイクオフ。 やっぱり激渋、荒れた中岩盤に寄ってサーマルにしがみつかないと 上がらない。 私は最初のターンポイントの手前で降りた。

8月25日 天気は良いが逆転層がきつく、全然上がる気配が無い。 タスクは、55.2km、13:45グランドスタート。 ダミーが出るが全く上がる気配すらない。 パイロットも全く用意しないでたまに出る、ダミーの同行を見ている。 ダミーが十字架の岩壁に行けば、みんな移動して、それを眺めている。 全然上がらない。 今度はワイヤーがある岩壁に行くとそっちに移動して見ていた。 なかなか上がりそうにない。 1時間ぐらいたって、1機のダミーがワイヤーの岩壁で上がりだした。 チームリーダーの半谷さんが、今なら大丈夫! すぐにテイクオフする。その後もどんどん出てくる。 ワイヤーがあってなかなか寄れない。それを迂回するように尾根上に回り込む。 弱いサーマルが階段上に上がっている。 何とか岩盤によれると2〜3のリフトでさらに上がる。 最高3000m、何でこんなに上がるのか不思議なぐらい上がった。 この日もゴールなし。私は40.3kmで27位だった。

8月26日 高層雲が朝から薄くあり、天気の崩れが予感させる。 タスクは、39.6kmのショートタスク、ミニマム距離が39.6km! ゴールできれば成立だが、最終ターンポイントを目の前にして みんな降りてしまって、不成立。 今回は、自分にとって渋すぎて、残念ながらあまり良くなかった。 PWCの成績も5位に下がった。 くよくよしても仕方がない。 今年ヨーロッパ遠征で学んだすべての事をもう一度考え直して PWCファイナル、シャモニーを飛ぶ。 この1週間、しっかり練習と休養をバランス良く取って頑張ります。 もうここまで来たら目指すはPWCチャンピオン! 全力で挑戦するぞ!!

8月28日 シャモニーで飛びました。 天気も最高で、サーマルもきつかった。 山肌を見ると針のような尖った岩盤だらけ、そのキワを飛んで 日が射すと弾丸ののような+6〜7m/sのサーマルが翼にぶち当たる。 まわそうとしても怖くて回せないぐらい引き上げられる。 その時に岩盤との距離を考えながら回すのは慣れないと相当難しい。 ここは初めてだがスペインのグラナダと同じかそれ以上に凄いところだ! モンブランの眺めながら飛ぶのも最高に気持が良い。 来週ここでどんなフライトが出来るかを考えると楽しみです。 2,3日は天気も悪そうなのでしっかり休んで大会に備えるぞ!

これがシャーモニー モンブランへリターン 岩盤の上空から
岩盤でフリークライミング? アラビス山脈をバックに 岩盤の横を飛ぶ川地選手

            

     

川地レポート

8月23日(水) 「扇澤3位でゴール!!」

TASK2 前日程ではないにしろ逆転層がクッキリ見えるコンディションに、選手達は皆大きなため息を付きます。 しかし、このエリアは午後からのエリアであることも、また事実であり、諦めるのは早すぎます。とはいうものの、オーガナイザーも自信がないようで、8回のクロックエアースタートにします。 (任意の回数だけOKだが、通常は4回程度ゲートがオープンする 例えば4回だとすると、|||>,||>,|>,> といったような感じになる)しかし、14:00頃にはコンディションも徐々に良くなり、ゲートオープン前には、突然ダミーが上昇し、逆転層が崩れた事を告げると、選手が次々とテイクオフ!!スタートパイロンが開く頃にはT20の近くの山には、100機以上のガグルができました。1回目のオープンでは誰もスタートせず、もっとコンディションが良くなるのを待ちます。スタートタイムが選べるので、各選手の戦略や気象判断の能力が問われる事になります。 2回目のオープンの時、30機程度がスタートしました。しかし、多くの選手はスタートしません。もっと良くなるだろうと読んだ事と高層雲が近付いていたために一旦渋くなるだろうと判断したからです。3回目のオープンでは、高層雲の通過でサーマルが渋くなったものの、その後晴れ間が続くと判断した扇澤,川地,只野,加藤,西ヶ谷を含む70機程がスタートします。スティーブ・コックスやジミー・パーチャ等30機程度と共に辻は残り、4回目のオープンでスタートを切りました。 実は、今日のレースで勝敗を大きく左右したのは、スタートタイムでした。3回目のオープンでスタートしたグループは、殆どスタックする事無く、周回する事が出来たからです。その中でも、上手くサーマルをヒットし、他の人より早く上げ直し、リフトを上手く利用したコース取りを した選手がトップになることが出来たといえます。レースは、B13を撮る前までほぼ団子状態で、どこで、だれが、いつ、スパートするのかといった緊迫した状態で、終盤を迎えます。そして、B13を撮った直後にレース展開に異変が起きます。B13を撮ってテイクオフの山に戻って上げ直す組(山が高ので早く上げ直せるが、B28まではアゲンスト)、B13から風上にある山(テイクオフの山より低いが南北に連なっており、次のパイロンであるB28まで伸びている)に向かう組、B13の直ぐ近の谷の真中にある小山で上げ直す組(B28までは最短距離だが、途中に上げ返せるポイントがなく、 > どのような風が吹いているか分からない)の3つに分かれます。正解は、谷の真中の組!!でした。ジョシュは、谷の真中を真直ぐに突っ込み、他を引き離し、B28を撮ってトップでゴール。ハンス,扇澤,タミガー等はテイクオフの山に戻りきらず、比較的谷の真中にいたので、直ぐにコース変更。扇澤世界のトップフライヤーのスピードに対して、全く引けを取らず、むしろ圧倒する速さで、堂々3位でゴール。スパートの遅れた川地、只野が谷の真中を突っ走り、トップ集団に追いついて、続いてゴール。少し遅れてしまったが加藤、西ヶ谷もゴールしました。 後での辻もゴールしましたが、時間がかかってしまいました。蓋を開けて見ると、とてもコンディションがよく、100kmタスクでも成立しそうなコンディションでした。

1位.Cohn Josh/2位.Bollinger Hans /3位.扇澤 郁 /10位.川地 正孝/15位.只野 正一郎 /35位.加藤 豪 /62位.西ヶ谷 一志 /64位.辻  強 

8月24日(木) 「チームアエロタクト、大苦戦!?」

TASK3 前日のタスクの大成功と前日より更に良くなる天気予報からオーガナイザーは、ビッグタスクを早々と発表し、選手達もやる気充分で一斉にテイクオフしていきます。ところが予想に反して、今ひとつ上がりがよくありません。戸惑いを隠せない選手たちは、テイクオフの前を行ったり来たり、必死に頑張ってやっとの思いでトップアウトすると、B48に向けて低く走った選手(加藤、西ヶ谷含む)が既にランディングを始めているのが見えるではありませんか!?話がゼンゼン違う!! トップアウトした選手たちは、きっと皆そう言ったでしょう。実は、当初の予想では夕方頃に来るはずだった高層雲が予想よりも6時間も早く来てしまったのです。ガンガンのスピードレースの様子から一変し、サバイバルレースになり、選手たちはサーマルを求め、まさに藁をも掴む気持ちでB48に向かいます。ほんのチョットでもリフトがあろうものなら、瞬く間に選手が寄ってきて、上がらなくなってしまいます。何十機も集まって回すので、センターリングの半径が大きくなってしまい、ただでさえ上がりにくいのに益々あがらなくなってしまうのです。B48の手前の山に付く頃には、半数以上がランディングしてしまいます。そして、この山がまた実に渋くて上がりません。練習日に下見で飛んだ時も切り立っている山の割には、上がりが悪かったのですが、今日は輪をかけて悪い! 耐え切れずランディングしてしまう選手達(辻含む)が続出します。しばらくしてやっと日照が戻り、森林限界よりも上に辿り着いた選手から、尾根裏のB48の方にそれほど上げずに消えていきます。しばらくしてトップグループがポロリポロリと帰ってきます。どうして? B48は尾根裏の谷の真中に有り、帰りはアゲンストで、とてもあの高度では、リターンできないはずなのに??そして、当たり一面を大きな高層雲が覆い、サーマルが息絶えます。万事休す!! 諦めてB48に向かい、尾根を越えたセカンドグループの選手達が目にした者は、信じられない光景でした。全くのシャドウ、しかも、もろにリーサイド(我々がリッジソアリングをしていた反対側)で更に、垂直どころか、絶壁自体がオーバーハングしているところで、何十機もがセンターリングをし、下から上げているではありませんか!!そんなのありか!? そう言って思わず絶句します。そこに近付いて、上げ直そうとした機体もいましたが、まるで目に見えないバリアがあるように、その周辺が荒れていて近付けません。仕方なくB48を撮って対岸の風を受けているであろう所に付けます。 そこの高い位置に見慣れた機体が上げ直していました。それは只野でした。アルプスステージになって俄然調子を上げている只野は、今日もトップ集団を引っ張るようにして先に進み、いち早くB48を撮ったのでした。しかし、そこで低くなってしまった只野はリターンするべく、上げ直して機会を伺っていたのでした。只野も同様に、先程のリーサイドにサーマルが有る事など想像すらしなかったうえに、余りにもやばそうなリーサイドなので、地元フランスのパイロットが突っ込んで行っても、あっ気に取られて見ているしかなかったそうです。そうこうしているうちに、上げ直しに成功したセカンドグループは、 リターンに成功し、尾根をまわりこみ、次のB01を目指します。B01に行くには先程の切り立った山の奥にある鞍部を越し、モリジンのエリアに行かなければなりません。コンディションが再び渋くなる前に 間一髪でトップグループ(20機程度)は上げ直しに成功し、越えて行きました。しかし、越すために必死に上げ直そうとするセカンドグループを嘲笑うかのように高層雲は益々増え続けます。そして、低くなった5〜6機(只野含む)はあえなくランディングしてしまいます。セカンドグループ(10機程度)は、そこでなんと1時間も足止めを喰らいます。やっとのことで、越えれるぎりぎりの高度に上げ直し鞍部に突っ込みますが、越える事が出来たのはたったの5機だけ、しかもその5機に待っていたのはサーマルの無くなったモリジンのエリアでした。この日、結局ゴール者は出ませんでしたが、最初に鞍部を通過した数名だけが距離を伸ばし、渋い時に強いと言われているジミーがトップになりました。

1位.Pacher Jimmy /2位.Pellet Dominiquo /3位.Stieglair Stephan  /22位.川地 正孝  /35位.只野 正一郎  /60位.扇澤 郁  /68位.辻  強   /84位.西ヶ谷 一志 /115位.加藤 豪  

8月25日(金)「激闘、サバイバル!!」

TASK4  前日のタスクの失敗を教訓に、オーガナイザーは、朝から慎重にタスクを練ります。選手達は、今日こそは大丈夫なんだろうな?と少し不安げな表情をのざかせながら、それを見守ります。しかし、オーガナイザーの希望とは裏腹に、眼下にはなんと3層もの逆転層が見えていて、タンデム機がお客さんを乗せて順調に降下しながら遊覧飛行をしています。しかし、タスクが発表されます。グランド一斉で13:45にスタート。しかし、誰も出ようとしません。コンディションが渋いのは、誰の目にも明らかだからです。フライトスーツすら着ないで、何か食べている人もいます。30分ぐらいして、スイス人のパイロット(氏名不明?)とピータ・ブリンクビーの二人が、大声援と共にテイクオフしていきました。この二人をもってしてもさっぱり上がりません。タスクがスタートしているにも関わらず、殆どのパイロットがフライトスーツを脱いで、雑談をしています。「駄目だこりゃ!?」そんな雰囲気です。1時間ぐらいした頃でしょうか、西の方向にある絶壁の端を飛んで何とかステイしていたダミー&フリーフライトの機体が上がり始めます。異変を察知し、勝ち気なパイロットが10人程テイクオフしていきます。 しかし、なかなか上がりません。テイクオフの雰囲気は先程までとはガラリと変わります。臨戦体制に入ったのです。先程のグループが、徐々に上がり始めると、他の選手達もまるで、渡り鳥がその時が来て、次から次へ湖面から旅立っていくようにテイクオフがしていきます。渡り鳥の群れは絶壁上で大きくなり、ついに北東に向けて進み始めます(チームアエロタクト含む)。今日の移動は皆とても慎重です、まるで逸れ鳥が出ないように。テイクオフの北に位置する、ミューシーの山脈で最も高い尖った山で今日一番の強烈なサーマルをヒットし、なんと3000m近くまで上がりました。下界とは違い、空気は澄んでいて遠くのモンブランがクッキリと綺麗に見えます。トップグループ20人(扇澤、只野、辻含む)は、余裕でB02(モリジン)をクリアーし、B01に向かいます。グループが確実に上げ直して駒を進める中、少し低くなった扇澤がグループに追い付くために、次のサーマルポイントに移動をしますが、失った高度は取り返すどころかますます失いランディングしてしまいます。実は今日のサーマルは、逆転層よりも上にある岩盤から出ていたので、一旦逆転層の下になると、這い上がる事が出来なくなってしまうのでした。B01をリターンする頃には、日が傾きサーマルが徐々に弱くなり始めます。渡り鳥の群れからは、脱落者が出始めます。高度の低い者から、ひとり、また、ひとりと低くなっていき、次は、俺の番か?と思いつつ皆ビクビクし、もう必死です。しかも、そんなにゆっくりとはしていれません。刻一刻とサーマルは弱まり、雲底が低くなっているのです。渡り鳥の大集団は意を決した様に、B02を撮る前まで上げていた山に向けて谷渡りを始めます(辻、只野含む)。しかし、日は既に傾いていて、山の東面は殆ど影です。この山は標高が高いため、3000mとまではいわないまでも、2500mは上げなければなりません。集団は、何とか一つ目の尾根をギリギリ越したものの、テイクオフ側にあるもう一つの尾根を越えられませんでした。日の陰った山は、東西に真っ黒な尾根を広げ、まるで巨大なコウモリの様にも見え、少しでも距離を伸ばすため、もがき苦しむトップ集団を飲み込んでいきました。人里離れた山奥に刺さる者、ランディングの無い谷底まで降りていく者。彼等は今日中に帰って来れるのだろうか?・・・。その様な中、もう一つ別のルートを目指す集団がいました。テイクオフの山で東の外れにある十字架の絶壁を回り込むルートです。目一杯上げたこの集団(川地含む)は、 一番高いコルテラを先頭に谷渡りを始めます。しかし、こちらのグループも低い者から脱落していきます。デニス・コルテラとワレリー・モンタントは、モンシェリーで上げ直しに成功し、十字架目掛けて突っ込み、回り込む事に成功!!。川地は、練習日で知っていたモンシェリーよりも手前のサーマルポイントに突っ込み200mの上げ直しに成功します。しかし、突っ込むのに躊躇してしまいます。なぜなら、これから突っ込むV字谷は、全くと言っていいほど降ろす所が無いのです。おまけに高圧線が、谷の中を走り回り、まるでサーカスのテントの中を飛ぶようなものです。そうこうしていると、下からアンディー・ヘディガーが上がってきて、なんの迷いも無く突っ込んでいきます。男・アンディが行くなら、俺も行くぜ!!とばかり、突っ込みますが案の定、降ろす所が全くと言っていいほどありません。そして、二人の壮絶なサバイバルが始まります。2機が高圧線をかいくぐりながらのフライトする光景は、まるで、映画における戦闘機のドッグファイトのシーンを思わせるようでした。二人はどんどん高度を落とし、もはやツリーランしか助かる道が無いと思われた時、 尾根を回り込んだ所でアンディが突然消えます。実は、斜面に猫の額のような木の生えていない所があり、アンディは間髪入れずにそこにランディングしたのでした。川地もそこにランディング。歩み寄った二人は、硬い握手をしたのでした。この日もゴール者は無く、テイクオフ前に回り込んだコルテラも粘ったものの上げ直すことが出来ず ランディングしました。

1位.Cortella Denis  /2位.Montant Valery /3位.Nef Olivier  /4位.Hediger Andy  /4位.川地 正孝  /27位.辻  強   /27位.只野 正一郎  /49位.加藤 豪   /62位.西ヶ谷 一志  /87位.扇澤 郁

8月26日(土) 「川地、自己最高位の総合10位確定!!」

TASK5 39.6kmのタスクが組まれました。フライトはしましたが、不成立!!サーマルが殆ど無い割に風が強く、競技を行うには非常に厳しいコンディションでした。タスク距離もミニマムも39.6kmというタスクが組まれました。つまり、ゴールしたら成立ということで、誰もゴールできないような競技で順位を付けないというものです。強風によるゲートオープンの延期の後、競技が始まりましたが、流石はPWCです。殆どの選手がゴール手前3kmまで、飛んで来て、最後はサーマルが無くなり、全員がほぼ同じ所に下りました。結果的には、ゲートオープンを延期した事が仇となった形です。

<<総合成績>> 1位.Stieglair Stephan 3324点 /2位.Kleja Juraj 3263点 /3位.Sprungli Vincent 3262点  /4点.Nef Olivier 3100点 /5位.Montant Valery 3085点     /6位.Pacher Jimmy 3045点  /10位.川地 正孝 2900点 /36位.只野 正一郎 2303点 /41位.扇澤 郁 2135点 /50位.西ヶ谷 一志 1959点 /60位.加藤 豪  1835点/61位.辻  強   1820点

2000PWC最終戦ーChamonix編ー

川地レポート

8月28日(月)〜31日(木)28日と29日は晴れてフライトトレーニングが出来ました。30日と31日は雨で飛べませんでしたが、体に溜まった疲れを取るには丁度良い、休暇になりました。 最終戦に向けて、万全の体制で臨むことができます。 現時点で、辻は5位、川地は13位なので、二人は日本人初の『シード選手』として、最終戦に出場します。シャモニはテイクオフが狭いので、このシード権は二人にとって大変有利です。またPWCの表彰台に上がる可能性も充分にあります。是非、応援をお願い致します。また、只野は最近調子が良いので、後は結果を残すだけですし、特にシャモニの様な岩盤、絶壁エリアは得意としています。 扇澤は、シャモニを過去に何度も飛んだ事があり、経験的にいっても、フランス人パイロットと充分に渡り合えるでしょう。加藤は、古くなったラインのせいで、グライダーの調子が今ひとつ悪かったのですが、NOVAで新品のラインを作ってきたので、調子はバッチリです。 どうか皆さん、チームアエロタクトにご期待ください。応援よろしくお願い致します!!

9月1日(金)〜2日(土) 1日はフライトができました。アルベールビルへのアウト&リターンのトレーニングXCを行いました。雲底が低くかなり難しい設定だったので、誰も達成できませんでしたが、川地だけがアラビス山脈をトップアウトすることに成功し、3000mまで上げて、アルベールビルのすぐ近くまで飛びました。他のメンバーは、プランジュ(昼過ぎからでも飛べるエリア)で、2本目のフライトをして、機体の調整などを行い、PWCシャモニの準備は万全です。2日は、曇りでした。2グループに分かれて、行動しました。 一グループ(扇沢、只野、加藤、宮田)は、プランジュでグライダーの最終調整。もう一グループ(川地、辻)は、エギーユ・デュ・ミディへロープウエイを使用して、上りました。2000m〜3500mは曇っていたのですが、山頂付近は雲の上で、モンブランが直ぐ間近に見えるその絶景は、とても口では言い表せないものでした。山頂駅には、カフェテリアがあり絶景を見ながら暖かいコーヒーをすすり、贅沢に時間を過ごしました。チョット変な感じがしたのは、今まさにモンブランに向けて登頂を始めようというグループもいれば、下山してきたばかりのグループが横を通り過ぎたりし、彼らの顔全てが真剣そのものだった事でしょうか?それもそのはず、山頂付近(3842m)は爆風が吹いていて、もの凄い地吹雪が吹き荒れ、氷点下です。とてもハイキング感覚で上れるところではありません。当然のことながら、息苦しくなります。山頂のカフェテリアへの階段を、調子に乗って駆け上がった時、かなり目眩がしました。ですから、普段着の人もいれば、重装備の服装の人もいる少し変わった空間がそこにありました。いずれにせよ、シャモニに来たらやはり一度は、上ってみるべきでしょう!!さて、いよいよ明日からです。こう御期待!!

9月3日(日)初日から、天候不良で朝からいきなりキャンセル発表!!明日もチョト微妙か?シャモニのオーガナイザーは、非常に気が利いていて、朝は、パンとホットコーヒーやホットチョコレートのサービスがあり、昼のランチパックまでくれるので、天気が悪くても、選手達はニコニコしながら集まってくる。チームアエロタクトは、フライト(アネシーに移動)& 買い物をする組と、手紙やE−Mail書いて、料理をする組に分かれ、行動しました。

9月4日(月)今日も目覚めると曇天で、朝一番から選手達のやる気を削いだのですが、モーニングセットのおかげで、皆ニコニコです。ここ2、3日の冷え込みは、非常にきつく、キャンプをしている選手達は、口々に「たまらない」と言っています。それもそのはずで、先週まではとても暖かくて、連日30℃を越していましたが、今週に入って日中でも20℃前後しか上がらず、朝は10℃以下まで、下がっているからです。さて、肝心のタスクですが、オーガナイザーは午後から晴れ間が来るので、そのチャンスを見計らって49.3kmのタスクを組みましたが、氷点下近くのテイクオフで散々待った挙句に、無情にも雹が振り出しキャンセルとなりました。今日(9月5日)は天気がかなり良いので、競技は間違いなくできると思います。チームの活躍をご期待ください。

辻君からのレポート

9月2日 朝、シャモニーのアパートにチャックインした。 アパートの位置は、なんと3842mのエギュイーユ・デュ・ミディに上がる ゴンドラの目の前のアパートだった。 雲底は低く、風が強そう。飛べそうにないので これは、一度エギュイーユ・デュ・ミディに上らないと また、いつ上れるか解らないと思い、川地さんと一緒に行くことに決めた。 ゴンドラ代は、ミディまでは、200fr(約3000円)。 結構する。イタリアまで行くと300fr(約4500円)。 とにかく、ミディまで! ミディまでゴンドラを一回乗り継いで約30分位で着いてしまう。 最高上昇率は+6〜7m/s、かなり安定したリフトで一気にトップアウトす る! ゴンドラを下りるとそこは、岩盤をくりぬいたトンネルを過ぎて、 外の渡り橋に出ると真下から豪風が吹き上げる。そして、 キラキラ光っている物が空中に舞う。ダイヤモンドダストである! 空は真っ青で、雪がとても白く眩しい!雲は遙か下にある。 そして、とても寒い、かなり厚着できたつもりだが間に合ってない。 また、トンネルの中に入り、その中を行くとエレベーターがある。 これが3842mの入り口である。 誰がこんな岩盤に穴を掘って、エレベーターまで作ったのか本当に関心する。 エレベーターも一気に上がる。 外に出ると360度どこでも見渡せる。 限りなく雲海が続いて所々白い山が見える。あれは、イタリヤの山か? 雲の隙間から下界も見える。かなり小さい! 写真何ぞを取って観光気分! カフェテリアでホットチョコレートと飲んでちょっと一息、 急に動き回ると息が切れる。 1時間ほどゆっくりしてから山を下りた。 ファイナルの開会式は、町の中を行進してみんなに手を振りながら カジノの前で開かれた。 その後は、カジノの中に入り、軽い食事とドリンクがあった。 よーし、明日から頑張るぞ!!!

9月3日 曇り時々雨、タスクはキャンセル。 ハンス・ボーリンガーの話だと明日からずっと良いらしい。 今日はゆっくり休んで明日の備える。

9月4日 今日は晴れているが雲が多い。雲底も低い。 結局、タスクは組まれたが雨が降り出し、キャンセルになった。

9月5日 朝から快晴、シャモニは谷の真ん中にあるため、とても寒い。 夜、氷河から冷たい風が降りて来て谷底にたまる。 そして、快晴になると放射冷却でもっと寒くなる。3度から5度くらい。 秋を取り越して冬かと思うぐらい寒い。

だがここのオーガナイズは、とても良くて、朝テントに行くと コーヒーとホットココアとショコラのサービスがあり、 とてもうまくて暖まる。 今日は行けそうだ! 昼頃タスク発表、65.9km、シャモニの谷を出て、プランジュの岩盤を 走ってシャモニの谷に来てモンブラン側の斜面を飛んでゴールするタスク。 雲底は2500m、かなり渋そうだが頑張ってゴールするぞ!

ウィンドが開いてテイクオフするとかなり渋い、トップの連中は低いのに ガンガンに飛ばして行く。私はちょっと様子をうかがいながら飛んでいると ドンドンを遅れてしまった。 モンブラン側は、7月と8月には、ヘリコプターが登山者のために いつも飛んでいるのでパラグライダーは全く飛べない。 もし飛んでしまうと多額の罰金を払わないといけないらしい。

氷河の上を飛ぶと安定がしているが下降気流で凄いシンクがある。 あまり低いと一気に谷底に降ろされる。。 これを上手く攻略しないとゴールできない。 氷河の上を越えていくときはドキドキした。クレパスが固まった海の波のように しわしわであまり近づきすぎると吸い込まれそうなシンク! 結局、私は遅れてとにかくゴール! 38位

9月6日 天気が良いが、モンブランに凄いレンズ雲が出来ていた。 4000〜5000mは風が強い。時速50m以上吹いている。 タスクは組まれたが高層雲が出ていて全然上がらないので キャンセルになった。

9月7日 雨でキャンセル・・・。 後二日、何とか天気は良くなる予報らしい。それを 信じて、全力を尽くして頑張るぞ! 辻 強

上空よりモンブラン撮影

ガスの中ウェイティング テイクオフでブロッケン

正一郎君のレポート

9月7日(木曜日) 今日は、朝から雲底が低く朝のブリーフィングの段階で天候不順のためタスクは キャンセルされた。案として、「ミューシーに行って、そこから飛んでシャモニ ーに戻ってくる。」というのがあったが、あまりにも雲底が低いのでやめたみた いだ。 今日こそ、エギュードミディに登らなければ!と、豪君、宮田さん、俺の3人で 防寒着など諸々をもってチケット売り場に行った。今日は、「視界ゼロ」の看板 は出ていない。 テレキャビン(大きなゴンドラみたいなの)に乗りこみ、ザックの中に入れてい たバリオのスイッチを入れた。「ピー、ピー、ピ、、、」最初は、毎秒2mぐら いだったが最高の所で毎秒6mを超えた。これが意味している事は、かなりの傾 斜角で上がっているという事だ。 頂上付近に近づくと、まるで、岩の壁を垂直に上がっているのではないか?と錯 覚するぐらいだった。だれが、どうやってこのテレキャビンを作ったのだろう か?すごいよ! 念願の頂上に着くと、下界では想像できない寒さとちょっとだけ酸素が薄い感じ がした。 「3842m」スペインでは、5000m近くの所を飛んだのにこっちの方が絶 対迫力ある。頂上は、まさに、自然のパノラマだ。遥か下方にシャモニーの街が 見え、テイクオフの山も下方にある。不思議な感覚。俺達が飛んでいる世界が高 いと思っていたのに、小さい小さいものである。 ここから見るモンブランは、ふっくらと焼けた餅のようだ。実際に頂上に行くに は大変なんだろうけど、観ているだけならそんな感じだ。 テレキャビンを降り、階段を上がると展望台があってレストランもある。そして 驚きは、こんな高い山に穴掘って、洞窟を掘り、エレベーターを設置して本当の 山頂に、簡単に行く事が出来る。誰が?何の為?穴まで掘ったのか?酸素は薄い のに。大変やで、こりゃ。 山頂レストランで、温かいコーヒーを飲んでいると、窓の外ではこのテレキャビ ンの中間駅からテイクオフして雲の上と氷河の上を飛んで行く機体がいるではな いか!2500m付近の話だが、すごく気持ちが良さそうだし気流も安定してい て徐々にガスも晴れてきている。「あー飛びたい!」最初に吼えたのは宮田さん だった。 「時間は、3時過ぎ。今から機体を取りにいって間に合うだろうか?」 「そんな話をしている暇があったらまず行動!」 「急いで取って戻ってきて5時か、、、昨日は、5時頃良かったんだよな。」 「でも、リフト代もったいないよな。」 「そうやなー」 気持ちは、飛びたい一心だが色々考えるとネ。 そんな中、知っている選手の人が耳よりの情報を教えてくれた。 「ランディング場に行ったら、チケット貰えるよ。」 やった!即決や! 即効で、機体を取って上がって黄昏の中を飛びました。 ここは、昨日レースの終盤で飛んだ空域なのだがゆっくり見る暇がなかったので 今日はゆっくり景色を楽しんだ。 エギュードミディーの景色も最高だが、動く景色の方が楽しい。氷河の上を飛ん だりしながら穏やかなアーベント上昇気流で、バックにはモンブランがある。綺 麗だ。 俺達って、最高の遊び道具を持っているとおもう。良い風が吹くと飛びたくな る。そして、飛びたくなったら自分の翼で飛ぶ事が出来るのだ。すばらしいこと だ。ほんま。 あしたも良い天気だぜ!

山頂レスとハウス エギュードミディ

辻君からのレポート

9月8日 TASK2
快晴、シャモニの谷底は氷河から来る冷気と放射冷却で心底冷え切っている。
出来るだけ服を着込んで朝のブリーフィングに行く。
天気は、高気圧がしっかりアルプスを覆い。1日中快晴北風弱い。 サーマルコンデションは、雲底が2200mでブルーサーマルとの予想。 うーむ、渋い。とにかく天気が良いことだ。 寒い谷底から早速、ゴンドラを使ってプランプラに上がる。
プランプラは太陽が当たってとても暖かく気持がいい。 少し昼寝をする。
タスクは、毎日ほとんど一緒シャモニの谷を出て、プランジュの岩盤の西の端に ある小さな家をまわり、シャモニの谷のに戻ってきて、 対岸に渡り、その谷の奥に行って戻って来てゴール。 49.5km


サーマルは弱く、ダミーが上がり出すのを待って、午後2時ウィンドオープン!! 飛んでみると岩盤に寄らないと上がらないが、他のパイロットがいるから 簡単には回せないし、荒れ荒れ、渋いのに! 
雲底は2200mでブルーサーマルでどこにサーマルがあるか見当がつかない。 シャモニの谷を出るともっと上がらない。でもガンガンに低いところを なめるように這いずり回ってターンポイントを取って帰って行く。 本当、低い。こんな高度で良いの。と思って少し上げてからと思っていると どんどん遅れていく。
ゴールは、ヘンりーカスパーがトップ。私も何とがゴールした。

9月9日 TASK3
今日も快晴、朝は寒い。 とうとう今年にシーズンが終わる。今日はしっかり飛ぶぞ!

天気のコンデションは、昨日と同じく渋い。
ただ昨日より風が弱いらしく。 モンブランからパラが何機も飛び出していた。 後で聞いて見ると今日だけで55人、 モンブランの山頂(4807m)から飛んだ。 一度はトライしたいね!

タスクは昨日同じようなタスク。 58.3kmコンデションは、昨日よりましなだけで渋さは、一緒!
ゴールは6人だけ、後半どんどん渋くなった。私は49km! あー、終わった。

今年のPWCが! 前半は、フラットな所ばかりでかなり調子が良かったが 後半フランスは、いつも渋く岩盤にギリギリまで寄らないと上がらない。 どうしてもいつも様子を見てしまって遅くなった。
アルプスを征する者は、最後に勝つ! まだまだ頑張らないとチャンピオンには、ほど遠い!
そう簡単には、PWCチャンピオンになったら嬉しくないからね。

結局、最終成績は、15位!!!! 来年、15番をグライダーに付けてすべての国際大会を飛ぶ!
考えてみると結構カッコイイと思うのは、自分だけ? 来年こそ、しっかりトレーニングしてPWCと世界選手権のタイトルを!
今まで応援してくれた皆さん、ありがとうございました。 とにかく無事に日本に帰ります。

これからももっと頑張りますので応援してください!!
週末には、COOにいますので飛びに来てね! では、今年のヨーロッパ転戦記は、これにて終了! 辻 強

PWC最終戦も終了してChamonixを21位で終えました、辻君はPWC総合15位/川地さん総合29位/扇沢さん総合31位/正一郎君と豪君は総合39位と40位でした。辻君は13日の夜に帰国となり、14日からはCOOにいますので、3ヶ月に渡る転戦の模様などを生徒や会員の皆さんにお話する事が出来るでしょう。ぜひお楽しみに!

Chamonix戦の表彰(総合と女子)

PWC総合の表彰(総合と女子)

個人総合

1位:HEDIGER Andy 9399点(CH) /2位:COX Steve 9393点(CH) /3位:PACHER Jimmy 9120点(I) BoomerangM /4位:STIEGLAIR Stephan 9045点(A) /5位 ARNOLD Marco 8963点(F) BoomerangML /6位:CARON Jean Marc 8896点(F) BoomerangM /7位:VONKANEL Peter 8808点(F) Krypton25 

国別総合

1位:France 55485点/2位:Switzerland 55291点/3位:Austria 50937点/4位:Japan 46457点/5位:Germany 36475点